有料会員限定

利益20%増に配当利回り4%、高成長続けるPR業界の風雲児。マテリアルグループの青﨑曹CEOに聞く

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
青﨑曹(あおさき・そう)/1987年生まれ。2011年に3人目の社員としてマテリアルに入社。創業者が2019年にアドバンテッジパートナーズに事業譲渡したのを機に、マテリアルグループの代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任(撮影:尾形文繁)
コンサルティングを武器に、PR業界で高成長しているマテリアルグループ。2024年3月の東証グロース市場上場からちょうど1年が経った。
不祥事に揺れるフジテレビ(フジ・メディア・ホールディングス)をきっかけとした、クライアント企業のテレビ広告出稿見直しにより、PR予算の獲得に追い風が吹く。将来のプライム移行を掲げる同社の成長戦略について、青﨑曹代表取締役CEOに聞いた。
※本記事は「会社四季報オンライン」でも有料会員向けに配信しています

テレビCM離れでデジタルに好機

――広告業界はフジテレビ問題で大きく揺れています。PR業界にも影響はありますか。

テレビCM離れを背景に、当社事業にはプラスの影響が出ている。PRコンサルティング、デジタルマーティング、PRプラットフォームという3つあるセグメントのうち、デジタルマーティングの好機だ。テレビCMからほかの施策へと、スポンサーの出稿予算が振り分けられている。当社でも具体的な話が進んでいる。

――3つあるセグメントのうち、どれが成長していますか。

3セグメントともに成長している。

コア事業のPRコンサルティングは、全社売り上げの9割を占める。一般的なPR会社は(企業の広報予算を所管する)広報部からリテナー(定期)契約で仕事を受ける事業モデルだ。だが、当社は広告宣伝部から仕事を受けるなど、マーケティング予算にアクセスしスポット(単発)で契約する。つまり、顧客が求める必要なソリューションは何かという発想で仕事を引き受ける。

テレビCMがいいのか、SNSが最適なのか、ショート動画なら伝わるのかなど、案件ごとに、戦略を設計し実行支援していく。他社との差別化により、オーガニックで成長している。

今後伸ばしていきたいのが、準コア事業であるデジタルマーティングだ。PRコンサルティンと連携しながら、デジタルを起点にしたコンサルティング業務やデジタル広告運用を提供している。PRコンサルティングとデジタル広告運用を両立できている会社は、マテリアルグループ以外に国内ではないと言っていいだろう。

最後のPRプラットフォームは、広報支援プラットフォーム「CLOUD PRESS ROOM」などを展開している。予算の少ないスタートアップや、都市部に拠点がない地方企業などが主な対象だ。前期まで営業赤字だったが、今期は営業黒字化の見通しだ。将来のアップサイドを作る意味でも、重要な事業だ。

各セグメントが伸びる結果、今2025年8月期は、売上高が前期期比19.4%増の63億300万円、営業利益が同20.4%増の9億7600万円を見込んでいる。

1年で1万人が採用に応募

――なぜ大きく成長しているのでしょうか。強みは何でしょうか。

3点挙げられる。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD