テスラ・エヌビディア株急落でも米国株は心配ない 相場が再び上昇に向かうと考える5つの要因
筆者は楽観的な見方を変えていない。

米国株が大きく下落している。昨年末の段階では、2025年のリスク要因の筆頭はアメリカ経済が強すぎること、そしてインフレの再燃でFRBの利下げサイクルが早期に終了し、利上げに転じることだった。それほど、アメリカ経済の状況は好調だったはずだ。
ところが現在のマーケットでは、アメリカの景気後退リスク、すなわちハードランディングの話題も浮上している。いったい何が起こったのか。実はアメリカ経済自体は、今のところ景気後退とは程遠い状態にある。
たしかに、アトランタ連邦準備銀行のGDP Nowは今年の1~3月期をマイナス2.4%と発表している。ただ、これは第2次トランプ政権発足前の駆け込み需要による過去最大の輸入増加や、大寒波・自然災害による一時的な個人消費の減速を反映したもので、実体経済を反映していない。ISM製造業景況感指数は2カ月連続で節目の50を上回り、ISMサービス業(非製造業)景況感指数も8カ月連続で50を超えており、アメリカ経済は依然として底堅い。
「イーロン・マスク」という想定外
なぜマーケットは不安を強く感じるようになったのか。本記事では3つの想定外を指摘したい。
1つはドナルド・トランプ大統領の変化だ。マーケットは同氏の1期目の姿勢から、「トランプ大統領は株式市場にフレンドリーである」と信じてきた。株価が下落すればトランプ大統領は放置しない――。いわゆる「トランプ・プット」である。しかし、トランプ大統領は足元の株安を放置している。改革には多少の痛みを伴うとさえ発言した。
次に「イーロン・マスク」という想定外だ。マーケットはマスク氏が連邦政府の無駄を削減することを安易に期待していた。だが実際には連邦政府の存在すら脅かすような改革を始めた。この急激な改革に国民も不安を感じている。
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