建てる前に売れる!NTTが"インド最大のデータセンター事業者"になった深層 ドコモは撤退した新興市場で成功を収めた理由

「このダイナミックな市場には豊富なチャンスが広がっている。われわれはインドにおけるデータセンター(DC)事業では最大のシェアを持っており、これからも引き続き投資を行っていきたい」
商都ムンバイに立つインドを代表する高級ホテル、タージマハルパレス。“インド産業の父”とされる財閥タタ・グループの創始者が1903年に開業し、2008年に発生した同時多発テロの現場になった“ホテル・ムンバイ”としても知られる。インドの近現代史が刻まれた格式ある建物で3月17日に開いた自社イベントで、NTTの島田明社長は冒頭のように述べた。
NTTは2011年以降、インド市場に30億ドル(約4500億円)を投じ、2025年度には5億ドル(約750億円)を投資する方針も明らかにしている。インドは現在、「NTTの収益面でトップ10に入る市場」(島田社長)だが、今後3年以内にトップ5市場入りを目指すとしている。
インドのDC市場で3割のトップシェア
近年、“グローバルサウスの盟主”として世界で存在感を増すインド。人口は14億人を超え、2023年に中国を抜いて世界一になった。現在のモディ政権は「デジタル・インディア」を掲げ、日本のマイナンバー制度に相当する「アーダール」や電子決済システム「UPI」の普及を進めている。国民の間でブロードバンド利用も急速に拡大し、「平均年齢も若く、将来的なITの成長期待が非常に大きい」(NTTグループ幹部)市場だ。

NTTグループは2003年ころに駐在員事務所を設置し、インドでの事業拡大を進めてきた。インド単体の事業規模は明らかにしていないが、現在の従業員数はグループ全体の1割強に相当する約4万人で、約3000社の顧客を擁している。
足元では、インド向けのインフラ構築にアクセルを踏む。NTTは現在、インドのDC市場で3割のトップシェアを占め、ムンバイ周辺で3つのDC拠点を保有する(DCの現地ルポはこちら)。2024年には、DC間を低遅延の通信で接続するために、グループで最注力している次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」のオール光ネットワークを海外で初めて商用化した。
クラウドの普及や生成AI(人工知能)の登場を受け、ハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)向けを軸に需要が急速に高まるDC。NTTはなぜ、遠いインドの地で最大のシェアを獲得できたのか。
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