有料会員限定

「僕がソニーの経営者なら買いに行く」「世界大手の出版社になる」・・・KADOKAWA社長が明かす"ソニーと提携強化"の内幕

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
ソニーグループの十時社長とは以前から交流があったという夏野社長。今回の提携を通じて、どんな拡大戦略を描いていくのか(撮影:尾形文繁)
昨年11月、ソニーグループによる買収報道が飛び出したKADOKAWA。結果的に、ソニーグループがKADOKAWAの保有株比率を約2%から約10%まで引き上げ、筆頭株主となる形で落ち着いたものの、KADOKAWAが抱える出版、アニメ、ゲームといった金脈の強さが改めて浮き彫りになった。
実際、ライトノベルや漫画などの出版事業のほか、「【推しの子】」を筆頭に人気作品を多数手がけるアニメや、「エルデンリング」が世界的に大ヒットしたゲームなど、近年の業績は好調だ。昨年6月に大規模なサイバー攻撃を受け、「ニコニコ動画」がサービス再開に約2カ月を要するなど多大な影響を被りながら、2025年3月期も第3四半期までは増益を確保している。
KADOKAWAの事業構造の強み、そしてソニーグループによる追加出資の内幕について、KADOKAWAの夏野剛社長に聞いた。

最初の打診はレストランで

――ソニーグループによるKADOKAWA買収報道は業界を驚かせました。結果的に買収にまでは至りませんでしたが、今回の株式取得のきっかけは何だったのですか。

僕は言われただけなので、ソニーさんに聞いてほしいところ。ただ、もともと非常に近い関係にあるのは事実だ。

例えば、われわれのアニメの多くはソニーグループの100%傘下のクランチロールで世界中に配信されている。プレイステーションは(KADOKAWA子会社の)フロム・ソフトウェアにとって一大プラットフォーマーで、「エルデンリング」はプレステ上でものすごく売れている。

――話があったときには驚いたのでは。

もしかしたら、うちみたいな会社がほしいかなとは思っていた。だって(ソニーは)コンテンツの会社になろうとしているわけでしょ。IP(知的財産)を生み出す源泉は映画じゃないですからね。

やはり1人の作家の個性で出せちゃう本はすごい。それをわれわれは年間6000点も出しているのだから、僕がソニーの経営者だったら買いに行くかなというくらいには思っていた。

――最初の打診は、どんな場面だったのでしょう?書面上のやりとりなのか、対面なのか……。

そういうのが気になる?(笑)

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD