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ソニーも狙ったKADOKAWA「IP大量創出」の真価 紙は縮小の時代でも、年間6000のIP生み出す"出版事業"が強さの源泉である理由

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縮小
昨年、株式を追加取得したソニーグループが筆頭株主となったKADOKAWA。ソニーも目を付けた、他社と一線を画すIP創出力の中身とは(上写真:今井康一撮影、下写真:尾形文繁撮影)

「IP(知的財産)を6000点も出しているのだから、それはほしいかもね」

昨年11月、ソニーグループによる買収観測報道で、業界を騒然とさせたKADOKAWA。夏野剛社長の言葉からは、エンタメ業界における自社の存在感に対する自負が感じられる(夏野社長のインタビューはこちら)。

報道が出た翌日の11月20日、ソニーから株式取得に向けた初期的意向表明を受領したと発表すると、KADOKAWAの株価は2日連続のストップ高で上場来高値を更新。6000億円以上とも見られた巨額買収の観測に、業界や株式市場関係者の注目が一気に集まった。

結果的にはソニーが約500億円を投じて約10%まで保有株を買い増し、KADOKAWAの筆頭株主となる形で決着したが、改めて同社が手がけるエンタメビジネスの価値が浮き彫りになったとも言える。

出版事業で年間6000近くのIP創出

小学館、集英社、講談社と並ぶ出版大手4社の中で、唯一上場しているKADOKAWA。非公開のファミリー企業が多い出版業界で、2013年の子会社9社の吸収合併や、2014年のドワンゴとの統合も経て、出版・映像にとどまらず、ゲームや動画サービス、教育などに事業領域を広げてきた。

「編集者はヒットすると信じたものをなるべく多く出す。その中で必ず当たるものが出てくる。当たったものはアニメ化、ゲーム化、映画化と、徹底的に回していく」。夏野社長は、利益を生み出すサイクルをそう説明する。

KADOKAWA独自の強みの1つで、ソニーも狙ったとされるのが、出版事業におけるIPの創出力だ。

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