有料会員限定

集英社・講談社・小学館が「IP」で儲けるカラクリ 非上場で謎の多いビジネスの奥の院を大解剖

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

IPブームで潤う出版大手。そのマネーのカラクリを大解剖。

『集英社、講談社、小学館の野望』特集バナー
出版大手こそが、世界で勢いづく日本エンタメの殿上人だ

特集「集英社、講談社、小学館の野望」の他の記事を読む

世界的ブームが続く日本のアニメ・エンタメ。3兆円経済圏の頂点に君臨するのが、漫画原作を供給し、IP(知的財産)の創出源となる大手総合出版社だ。
集英社、講談社、小学館は何を考えているのか。本特集では、非上場会社ゆえに謎の多いそのビジネスの奥の院を解剖する。

【配信予定】7月7日(日)
文春、光文社、主婦と生活社…漫画事業参入の勝算
7月8日(月)
「ジャンプの集英社」 総合エンタメ化への遠い道
集英社が韓国発「縦スクロール漫画」に参戦の狙い
<拡大版>宝島社「身売り説」新潮社「危機説」迎える正念場
注目浴びた「集英社ゲームズ」設立者が語る手応え
ドラゴンボール “原作者死後”利権バトルの行方
7月9日(火)
講談社 「内部資料」が示す「漫画・IP」全振り戦略
「Ray」「Zipper」…女性誌を買収するIT企業の狙い
劣勢の小学館 41歳・4代目当主を待ち受ける難路
<拡大版>「セクシー田中さん問題」 同業が語る本当の論点
<無料>ワンピース作者「尾田栄一郎」業界にとどろく伝説
7月10日(水)
小学館集英社プロダクション ”異色経営”の正体
ポケモン、コナン… IP活用で稼ぐ「小プロ」の強み
7月11日(木)
「集英社・講談社・小学館」 3大出版社のキャラ図鑑
『ジャンプ』がヒット連発できる秘訣は“仕組み”
7月12日(金)
コルク佐渡島「バズり支援は編集者の重要任務だ」
『ハンチョウ』編集者が語るヒット作の因数分解
7月13日(土)
『リゼロ』に続け!KADOKAWAの最新IP戦略
KADOKAWA、多彩なIP戦略を仕切るキーマン直撃
7月14日(日)
集英社も参戦「韓国発タテ読み漫画」で日本が逆襲
7月15日(月)
識者が厳選!“教養としての漫画”ランキング10
7月16日(火)
電子漫画「めちゃコミ」 2800億円買収が持つ意味
7月17日(水)
エンタメの大本命 「マンガ・IP」で稼ぐ上場企業20

東京・神保町交差点から程近くに本社を構える、出版大手・集英社。6月初週、そのオフィスの一角が胡蝶蘭(こちょうらん)で埋め尽くされた。

花が集中したのは、2人の社員のデスク周辺。1人は当時、『週刊少年ジャンプ』副編集長の齊藤優氏、もう1人は電子漫画サービス『少年ジャンプ+』副編集長の中路靖二郎氏だ。送り主の正体は、あまたのアニメプロデューサーたちだという。

集英社内では5月末、2人が6月18日付で両媒体の編集長に昇格する旨が内示されていた。当然ながら対外発表はされておらず、内示から1週間のうちに昇進祝いの胡蝶蘭が押し寄せるというのはおかしな話だ。

出版大手こそが日本エンタメの殿上人

しかし、日本の漫画・アニメ産業の構造を知れば何ら不思議な話ではない。集英社を筆頭とした出版大手こそが、世界で勢いづく日本エンタメの殿上人なのだ──。

動画配信サービスの普及を背景に、海外マーケットの拡大が著しく、日本きっての成長産業と目されるアニメ。その市場規模は2022年に2兆9277億円と、ここ10年で2倍に膨張した。

この産業において、最も“おいしい”立ち位置にいるのが、集英社や講談社、小学館などの漫画部門を持つ大手出版社だ。

関連記事
トピックボードAD