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『ジャンプ』がヒット連発できる秘訣は"仕組み" 友情・努力・勝利ではなく、競争・競争・競争

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同じ職業でも、集英社とそれ以外とでヒットの生み方が大きく異なる。

書店に平積みされている週刊少年ジャンプ
『週刊少年ジャンプ』は他社の戦い方にも大きな影響を与えている(写真:編集部撮影)

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世界的ブームが続く日本のアニメ・エンタメ。3兆円経済圏の頂点に君臨するのが、漫画原作を供給し、IP(知的財産)の創出源となる大手総合出版社だ。
集英社、講談社、小学館は何を考えているのか。本特集では、非上場会社ゆえに謎の多いそのビジネスの奥の院を解剖する。

数々の名作を生み出してきた漫画産業。世界に冠たる日本のIP(知的財産)の源泉となる、ヒット漫画の創出に不可欠な職業が、「漫画編集者」だ。

出版社に所属する編集者は、1日のほとんどの時間を漫画家との打ち合わせに割く。作品コンセプトからキャラ設定、1話ごとのヤマ場やオチ、コマ割りの改善まで、あらゆる面を“コンサルティング”する。そうして第1読者としての意見を伝えると同時に、漫画家の話に耳を傾け、モチベーションをケアするカウンセラーとしての役割も果たすのだ。

一般的に大手出版社の編集者は、数本の連載作品を担当する。大御所作家の担当になれば、飲み会やマージャン、早朝ランニングなど、プライベートの付き合いもこなさなければならない。同時に、新連載の立ち上げに向けて、賞レースや同人誌即売会などで発掘した新人を数十人、多いケースでは100人規模で指導している。

厳しい競争システム

もちろん、同じ漫画編集とはいっても、各社でカラーは大きく異なる。例えば、大ヒットを連発する集英社の『週刊少年ジャンプ』は、ヒット作品創出のサプライチェーンに、厳しい競争のシステムを導入している。

憧れの的であるジャンプの編集部には、持ち込みの時点で、漫画家の卵たちの中でも最もポテンシャルの高い層がなだれ込んでくる。この漫画家間の競争と同時に、編集部内でのシビアな競争も重要なポイントだ。

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