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「Ray」「Zipper」… 女性誌を買収するIT企業の狙い DeNA出身、DONUTS代表の西村啓成氏に聞く

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「雑誌はIPとして見れば復活余地」

DONUTS 代表取締役の西村啓成氏
西村啓成(にしむら・ひろなり)/DONUTS 代表取締役。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。2004年4月、DeNA新卒第1期生として入社。07年Donuts(現DONUTS)を共同創業し、代表取締役に就任(写真:編集部撮影)

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世界的ブームが続く日本のアニメ・エンタメ。3兆円経済圏の頂点に君臨するのが、漫画原作を供給し、IP(知的財産)の創出源となる大手総合出版社だ。
集英社、講談社、小学館は何を考えているのか。本特集では、非上場会社ゆえに謎の多いそのビジネスの奥の院を解剖する。

不振に陥った女性誌やファッション誌を次々と買収し、復刊。ITクラウドサービスという異業種からメディアに攻勢をかけるDONUTSの雑誌再興戦略とは。西村啓成代表に話を聞いた。

 

──雑誌ビジネスに進出する狙いは何でしょうか?

私たちは2021年に女性ファッション誌『Ray』を譲受し、後に『andGIRL』を復刊、22年にはアソビシステム社と共同で『Zipper』を復刊した。雑誌にはIP(知的財産)としての価値があると考えたからだ。例えば一般人がSNSでコスメの記事を発信するのと、『Ray』が記事を掲載するのとでは、やはり価値が異なる。雑誌単体としては赤字でも、看板としての価値はあると思った。

紙媒体としての復刊にこだわったのも、紙を出さないことには、ブランド価値が普通のネット媒体と変わらなくなると思ったためだ。

──今の雑誌市場は厳しい。

確かに、購入の場がどんどん減っている。ファッションやコスメの情報をインスタグラムから得るなど、かつて雑誌が果たしていた役割がネットに代替されている。

しかし雑誌をIPと見なせば、別の事業モデルが見えてくる。

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