「雑誌はIPとして見れば復活余地」
不振に陥った女性誌やファッション誌を次々と買収し、復刊。ITクラウドサービスという異業種からメディアに攻勢をかけるDONUTSの雑誌再興戦略とは。西村啓成代表に話を聞いた。
──雑誌ビジネスに進出する狙いは何でしょうか?
私たちは2021年に女性ファッション誌『Ray』を譲受し、後に『andGIRL』を復刊、22年にはアソビシステム社と共同で『Zipper』を復刊した。雑誌にはIP(知的財産)としての価値があると考えたからだ。例えば一般人がSNSでコスメの記事を発信するのと、『Ray』が記事を掲載するのとでは、やはり価値が異なる。雑誌単体としては赤字でも、看板としての価値はあると思った。
紙媒体としての復刊にこだわったのも、紙を出さないことには、ブランド価値が普通のネット媒体と変わらなくなると思ったためだ。
──今の雑誌市場は厳しい。
確かに、購入の場がどんどん減っている。ファッションやコスメの情報をインスタグラムから得るなど、かつて雑誌が果たしていた役割がネットに代替されている。
しかし雑誌をIPと見なせば、別の事業モデルが見えてくる。
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