育成、案出し、ブランディング…仕事は多岐にわたる。
編集者の仕事の9割は、作家との打ち合わせだ。学校の先生が壇上に立つ前、「いい授業にしよう」とフッと気合いを入れる──打ち合わせに臨む編集者は、まさにこんな心持ちといえる。大切なのはうそをつかないこと。「こんなこと言っていいのか」と制限をかけず、素朴な意見でも伝えるようにしている。
打ち合わせで何を決めるかは、作家の置かれた段階によって異なる。「何かやりたいが、決まっていない」のなら、まずはその人の中の作品になりうる部分を探し、形作る。その作家のよさ、興味のあること、それがどう仕上がれば世の中で受容されるか。雑談を通じて探っていく。「さっきからずっとこの話をしてますね。執着あるんじゃないですか」「確かに」「なら、こういう主人公像がいいのでは」といった具合だ。
最終的にはその作家が何者か、という深いところまで掘り下げることになる。
「面白い」は技術だ
描きたいものが頭の中で完結している作家は少ない。編集者という触媒が要る。ただ、僕らができるのは発火させるまで。残りの98%は作家の力だ。
ヒットを生み出すポイントは2つ。
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