若者が次々辞める会社は「休ませ方」を知らない 必要なのは働き方ではなく「休み方改革」だ
変わったのは若者ではなく、社会
「最近の若者は、仕事が合わないとすぐに会社を辞める……」などという話を、よく聞きます。
確かに、厚生労働省が発表している、就職後3年以内の離職率を調査した「新規学卒者の離職状況」によると、1992年3月に大学を卒業した学卒者の3年以内の離職率は23.7%だったのに対し、2015年3月に大学を卒業した学卒者の3年以内の離職率は、なんと31.8%。最近の新入社員の入社3年以内の離職率は3割を超え、その割合もこの23年ほどの間に8%以上も上昇しているのです。
そんなふうに早く会社を辞めていく若者たちに対する「最近の若者は、根性がない!」「仕事がつらくなったらすぐに逃げ出す!」という、上の世代の人たちのぼやきをよく聞きます。しかし、若者たちの本音はどうなのでしょうか。
僕は、変わってしまったのは若者たちではなく、社会だと考えます。
今までの社会においては、人生は「会社の時間」と「家庭の時間」しかありませんでした。
1989年の流行語「24時間タタカエマスカ」に象徴されるように、サラリーマンは、年功序列・終身雇用によって、会社から安定した人生を保証されることで“企業戦士”となり、モーレツに働くことが美徳とされていました。当時は、働けば働くほど成果も出た“いい時代”でもありました。
しかし、今は違います。インターネットの発達や新しいテクノロジーの台頭によって新しい仕事がどんどん生まれ、働き方も著しく多様化しています。ユーチューバーなんていう職業が出てくることなど、20年前には誰も予想していなかったでしょうし、僕が入社した2010年でさえ、プログラマーという職業を選ぶ友人はほとんどいませんでした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら