【国内患者20万以上】「潰瘍性大腸炎」治療の未来 【持病を生きる】20万人もいるのに「指定難病」
病気になった際の「情報収集」は、一筋縄ではいかない。インターネットやSNSの普及で「誤った情報」も氾濫し、いろいろ検索しては「不安」になる人も少なくない。
ネット時代、SNS時代において「何を」「どう」読めばいいのか、情報収集のコツを1冊にまとめた『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』を上梓したジャーナリストの佐々木俊尚氏は、じつは「潰瘍性大腸炎」という難病を罹患したひとりでもある。
国内に20万人もの患者がいながら「指定難病」のひとつである潰瘍性大腸炎は根治が難しく、再発を繰り返す。情報収集が仕事のジャーナリストの佐々木氏をもってしても「医療の最新情報は追いづらい」と語るほど、病を「正しく知る」のは難しい。
その佐々木氏と、潰瘍性大腸炎の専門医で同病の研究を専門とする土屋輝一郎・筑波大学教授による対談の後編では、潰瘍性大腸炎の「治療の最前線と未来」について語ってもらった。
*この記事の前編:病気かも?「医療情報を正しく」見極めるコツ
「怪しげな民間療法」がひとり歩きするケースも多い
佐々木:病気をネットで調べていくと、「得体の知れないデマ情報」が本当に多い。「病気かも?『医療情報を正しく』見極めるコツ」でも述べたとおりなんですが、もうひとつ問題があって。「怪しげな民間療法」もたくさん出てくるんです。先生はこれ、どう思われますか?
土屋:「潰瘍性大腸炎」の原因に関しては、欧米の患者さんが多かったので、最初は「遺伝子の問題が大きいんじゃないか」と考えられていました。
ところが日本でも患者数が増えていって、今度は「食生活が欧米化したからではないか」とか、「ストレスなどの環境因子も関係あるのでは」と考察されてきました。
結論から言えば、現在、まだ何がどれくらい関係しているのかはわかっていません。
ただ、「食事が関係していそう」というところから、「〇〇を食べれば治る!」「ストレスを減らすために××をしよう」なんて極端な方向に話がひとり歩きしていって、それが「民間療法」として記事になっているケースを多く見ますね。