高血圧は高齢者に多い病気と思われているが、実は30代男性の6人に1人、40代男性の4人に1人が高血圧と診断されている(平成30年国民健康・栄養調査報告)。
「健康診断などで、“ちょっと血圧が高め”と言われたことのある30代や40代が、突然、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こして、救急車で搬送されるというケースは決してめずらしくありません」と苅尾医師。さらにやっかいなのは、この年代で多いのは「健康診断などでは見つけにくい隠れ高血圧。我々は“仮面高血圧”と呼んでいます」と言う。
30~50代の血圧問題に触れる前に、血圧や高血圧とは何か、なぜ高いと問題なのか、改めておさらいしておきたい。
血圧とは血液が血管壁を円周状にギュッと押す力のことをいう。その力が基準より強くなった状態が高血圧だ。
血液の量が増えれば圧は高くなるし、血管が細くなったり、弾力性が失われたりしても圧は高くなる。高齢になるほど血圧が高くなるのは、ゴムホースが経年劣化で硬くなるのと同じで、血管が加齢現象で硬くなることが原因の1つだ。
脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなる
圧が高くなればなるほど血管にかかる負荷が大きくなるため、循環器疾患のリスクが高まる。血管の内側にプラークができていれば、それが破れるリスクも出てくる。
脳の血管が破れれば脳出血となり、破れたプラークが血栓を形成して血管を詰まらせれば脳梗塞や心筋梗塞となる。
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