【中性脂肪】超悪玉コレステロールを増やす事実 20歳以上の男性の4人に1人が「治療が必要」判明

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最近になってわかってきた、生活習慣病の真犯人、中性脂肪のリスク。減らす方法とともにお届けします(写真:artswai/PIXTA)
健康診断で「中性脂肪が高い」と言われても、「ちょっと飲みすぎただけ」「焼肉やラーメンが続いたから」程度に考えている人は多いのではないか。中性脂肪は悪玉のイメージがあるコレステロールと違って、これまであまり気に留めることが少なかった脂肪だからだ。
しかし、最近の研究で、心臓病や脳卒中(心血管病)の原因となる動脈硬化の真犯人である可能性が高まってきた。中性脂肪の怖さとともに、高めと指摘されたときの対策について、この分野の専門家である国立病院機構京都医療センター臨床研究センター内分泌代謝高血圧研究部部長の浅原哲子さんに聞いた。

中性脂肪とは血液中に含まれる脂質の一種。特定健診などで測定される項目の1つだ。食べ物の影響を受けやすく、肉の脂身や菓子類、糖質やアルコールで上がりやすいという特徴がある。

令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、血液中の中性脂肪(空腹時)を測定した20歳以上(男性1019人、女性1410人)のうち、150mg/dl以上の人は男性は42.4%、女性は28.4%。男性では半数に近い人が異常値だ。男性の場合、薬による治療が必要な200mg/dl以上も24.8%。4人に1人が該当する。

しかし、健康診断で中性脂肪が300~400mg/dlという数値が出ても、本人はもちろん、周囲の人もあまり、驚かないのではないだろうか。異常値となったのが血糖値であれば、慌てる人も多いだろう。中性脂肪は軽視されてきたと言わざるを得ない。

血液中にある3種類の脂質

血液中には主に、3つの脂質が存在している。「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」である。LDLとHDLはリポたんぱく質という複合体粒子の名称だ。脂質は水に溶けないため、このリポたんぱくに乗って、必要な部位に運搬される。

LDLコレステロールは細胞膜やホルモンの材料になるが、量が増えすぎると動脈硬化を進めることから、「悪玉コレステロール」と言われている。

一方、HDLコレステロールは細胞膜やホルモンになりきれなかった余分なコレステロールを回収してくれるので、「善玉コレステロール」と呼ばれている。

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