中性脂肪とは血液中に含まれる脂質の一種。特定健診などで測定される項目の1つだ。食べ物の影響を受けやすく、肉の脂身や菓子類、糖質やアルコールで上がりやすいという特徴がある。
令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、血液中の中性脂肪(空腹時)を測定した20歳以上(男性1019人、女性1410人)のうち、150mg/dl以上の人は男性は42.4%、女性は28.4%。男性では半数に近い人が異常値だ。男性の場合、薬による治療が必要な200mg/dl以上も24.8%。4人に1人が該当する。
しかし、健康診断で中性脂肪が300~400mg/dlという数値が出ても、本人はもちろん、周囲の人もあまり、驚かないのではないだろうか。異常値となったのが血糖値であれば、慌てる人も多いだろう。中性脂肪は軽視されてきたと言わざるを得ない。
血液中にある3種類の脂質
血液中には主に、3つの脂質が存在している。「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」である。LDLとHDLはリポたんぱく質という複合体粒子の名称だ。脂質は水に溶けないため、このリポたんぱくに乗って、必要な部位に運搬される。
LDLコレステロールは細胞膜やホルモンの材料になるが、量が増えすぎると動脈硬化を進めることから、「悪玉コレステロール」と言われている。
一方、HDLコレステロールは細胞膜やホルモンになりきれなかった余分なコレステロールを回収してくれるので、「善玉コレステロール」と呼ばれている。
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