肥満には大きく「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」がある。
皮下脂肪はお腹周りのほか、おしりや太ももの皮膚の下に付く脂肪。内臓脂肪は腸や胃など臓器の周りに付く脂肪だ。いずれも体に余った脂質の蓄積だが、40歳前後を過ぎたあたりから食事など生活習慣の影響で付くのは、大部分が内臓脂肪だ。皮下脂肪とは異なり、内臓脂肪は“たちの悪さ”で知られている。
「内臓脂肪は肝臓を経由して血液にとどまりやすく、『超悪玉LDLコレステロール(small dense LDL)』を増やすという特徴があります。血液中の中性脂肪が多く、かつ、内臓脂肪が多い人は動脈硬化のリスクがとても高いといえます」(浅原さん)
内臓脂肪が多い人は動脈硬化に注意
超悪玉LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールよりも、さらに小型化したコレステロール。酸化されやすく、小さいので動脈の内皮に入り込み、血栓を作りやすい。つまり、動脈硬化(血管の内側にコレステロールなどが付着して血管が狭く硬くなり、血液の流れが悪くなった状態)を引き起こしやすいコレステロールだ(関連記事「【中性脂肪】コレステロールより悪者の衝撃事実」)。
脂肪組織はエネルギー源として必要だが、肥満にともなって増えていくと、体に悪い影響をおよぼす。脂肪細胞から分泌されるホルモンを「アディポサイトカイン」と総称するが、このアディポサイトカインには体にいい働きをする善玉アディポサイトカインと、そうではない悪玉アディポサイトカインがある。
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