まず、高血圧の診断基準から。日本高血圧学会によると次の通りになっている。
①医療機関で血圧を測定したときの値:上140mmHg、下90mmHg以上
②自宅で血圧を測定したときの値:上135mmHg、下85mmHg以上
「血圧はつねに変動していて、何らかのきっかけがあると平気で40~50mmHgぐらい上がります。平均で10mmHgぐらい上がったり下がったりすることを考えるのであれば、130mmHgでも気を付けたほうがいいと考えています」と苅尾医師。
もちろん、この130mmHgというのは生活習慣を点検するなどのセルフケアで気を付けたほうがいいという意味であり、この段階で病院で生活指導や薬物療法が必要になるといった意味ではない。
高血圧は大病につながる恐れやQOLの低下も
高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状がない。しかし、放置すると、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、腎不全といった大病のトリガーになる。命に関わるだけでなく、運良く生きのびたとしても寝たきりや手足のマヒ、言語障害が残るなど、QOL(生活の質)に大きな影響をもたらす。
高血圧はどれだけ問題なのか。
例えば、世界的に権威がある科学雑誌『ランセット』の報告では、血圧が115/75mmHgの人と比較して、135/85mmHgの人は2倍、155/95mmHgの人は4倍、175/105mmHgの人は8倍、死亡リスクが高くなることがわかっている。
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