【血圧】平気でしょうゆをかける人を襲う大問題 1日6g未満が適正な塩分量、日々の食事に工夫を

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② 食事「ナトリウムの排泄を促すものを摂る」

食事で心がけたい2点目は、ナトリウムの排泄を促すカリウムと水溶性の食物繊維をしっかり摂るということだ。

カリウムは体内で余ったナトリウムを尿として出してくれる働きがある。また血管の動脈硬化を防ぐ栄養素でもある。一方、水溶性の食物繊維は腸内の塩分を吸着して便として体外に排泄するのを手助けする。

カリウムや水溶性の食物繊維が多く含まれている食材は、緑黄色野菜やくだもの、海藻類、キノコ類など。水溶性の食物繊維は豆類にも多い。

③ 食事「自律神経を整えるものを摂る」

3番目は、血圧を上げる働きがある交感神経の亢進(こうしん)を抑えて、自律神経のバランスを良好に保つ食材を摂ることだ。具体的にはGABA(トマト)、ビタミンB6(にんにく、サケ、アジ、サンマ、ヒレ肉)、トリプトファン(大豆製品、乳製品)、ビタミンD(きのこ、ししゃも、しらす、あるいは食事ではないが日光を浴びることも有効)などがオススメ。

「このほか、コーヒーや緑茶にも血圧を下げる作用があるという報告があります。適度に取り入れるといいでしょう」(苅尾医師)

アルコールに関しては日本高血圧学会では、男性は1日20~30mL(日本酒約1合、ビール中瓶1本、ワイン2杯、焼酎0.5合程度)、女性は1日10~20mL以下を推奨している。

注意したいのは、睡眠前の飲酒や入浴前の飲酒だ。寝る前にアルコールを飲むことで睡眠の質が妨げられ、血圧にも影響を及ぼす(睡眠との関係は次項で紹介)。また、入浴前に飲酒をすると、入浴中に血圧が急に下がって入浴中の事故のリスクが高まる。

続いて食事以外のポイントについて紹介する。

電子タバコも血圧の上昇につながる

④ 禁煙

『高血圧治療ガイドライン2019』によると、1本の紙巻きたばこを喫煙すると、15分以上血圧上昇が持続することが示されている。喫煙は仮面高血圧(健診などでは見つかりにくい高血圧。前回の記事参照)の高リスク群の1つに挙げられており、動脈硬化を進める。

電子タバコも、紙巻きタバコと同様、吸っていると血圧や心拍数が上昇し、血栓ができやすくなる可能性があることが、欧州呼吸器学会(ERS)で報告されている。

タバコは百害あって一利なし。まずは禁煙することが大事だ。

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