【血圧】平気でしょうゆをかける人を襲う大問題 1日6g未満が適正な塩分量、日々の食事に工夫を

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⑤ 睡眠

苅尾医師は、「7時間以上の睡眠」を勧めている。

というのも、睡眠時間が5時間以内の人は、7~8時間の人と比べて高血圧を発症するリスクが2.1倍あることがわかっているからだ。また、睡眠障害があると交感神経の活動性を亢進することから、高血圧の原因となる。

「夜、十分に寝ていても昼間、極度に眠いという人は『睡眠時無呼吸症候群』の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無呼吸になることで交感神経が一気に興奮し、血圧が一気に上昇するため循環器疾患の発症リスクを高めるとてもキケンな病気の1つといえます」

睡眠時無呼吸症候群の特徴は、昼間の強い眠気のほか、夜間頻尿(3回以上)や肥満、いびきなどだ。やせていて下顎が小さい人にもみられるので、気になる人は一度、産業医などに相談してみるといいだろう。

運動で血圧が下がる3つの理由

⑥ 運動

運動の目的は2つある。1つは減量、もう1つは血圧降下だ。

ここでは後者の血圧降下に注目する。「血管をしなやかにする運動があります」と苅尾医師が勧めているのは、有酸素運動だ。

「持病などがない場合ですが、心拍数を100~120程度に上げた状態で、30分ほど体を動かします。ウォーキングでもジョギングでもほかの運動でも構いません。脈を5秒測って、その間に9~10回拍動があれば、心拍数100~120程度になります」

運動は心拍数を上げるため、一時的に血圧は上がる。だが、続けているうちに血圧の上がり方がゆるやかになり、そして下がっていく。その理由は3つある。

1つ目は、ホルモンの作用だ。運動によって心拍数が上がると心臓から利尿作用があるホルモン(心房性ナトリウム利尿ペプチド)が分泌される。その作用で尿量が増え、血液量が減るため血圧が下がる。

2つ目は、一酸化窒素(NO)の働きだ。一酸化窒素は血管の内皮細胞に存在していて、血流がよくなって血管を擦るような力が生じると分泌が促進される。一酸化窒素は血管をつくっている平滑筋に働いて、血管をしなやかにしてくれる。そのため、血圧が下がる。

そして3つ目は、リラックス効果。ゆったりと体を動かすと交感神経の亢進が収まり、副交感神経が優位になる。その結果、血圧が下がる。

「ただ、今の季節は気温が低いので、これまであまり運動をしてこなかった人がいきなり屋外で運動をするのは危険です。気温がそれほど低くない屋内などで行い、徐々に体を慣らしていくことが大事です」(苅尾医師)

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