上からは叱責、下からは軽視「中間管理職の悲哀」 1人でも部下がいる人必須「部下育て」の思考

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問題は、マネジャーの役割の重要性が高まる一方で、マネジャーの仕事の設計やマネジャーへのサポート体制がそれに追いついていないことだ。

1940年の研究によると、マネジャーが邪魔されずに仕事に集中し続けられる時間は、かろうじて平均23分にとどまっていた。1965年のスウェーデンの研究でも、マネジャーの時間が極めて細切れ化していることが明らかになっている。

名称変更でマネジャーの意識が変わった

業務プロセスとテクノロジーに次々と変化が訪れたことにより、マネジャーの業務が増大し、重圧が激しくなる一方で、マネジャーへの支援は減ってしまった。

スタンダードチャータード銀行は、世界の70カ国に1200を超す支店を展開するリテール銀行だ。利益の90%以上は、アジア、アフリカ、中東から得ている。同社の幹部チームは、「マネジャーたちのアップスキリングが欠かせないこと」に気づいていた。

同社の人事部門責任者であるタヌジ・カピラシュラミは、私にこう語っている。

「マネジャーたちを『永久凍土』になぞらえて揶揄し、会社が変われない原因をマネジャーたちのせいにすることは簡単です。でも、私たちは改めて考えてみたのです。マネジャーたちは、本当に変化に抵抗する『永久凍土』なのか、それとも私たちの会社にとって最大のチャンスを握る存在なのか。この点を検討した結果、マネジャーたちに本格的な投資をしてこなかったことに思い至りました」

スタンダードチャータード銀行には、マネジャーの職にある人が1万4000人いた。この人たちを支援するのに最善な方法を見出すうえで、まずマネジャーという名称を「ピープル・リーダー」に変更することから着手した。カピラシュラミは、こう述べている。

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