上からは叱責、下からは軽視「中間管理職の悲哀」 1人でも部下がいる人必須「部下育て」の思考

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このようにメンバーのニーズを第1に考える発想への転換は、新型コロナのパンデミックが始まる前からすでに見られていた。しかし、コロナ禍の影響により、人々が働く場所と時間が大きく変わったことに伴い、それまで以上に複雑なスケジュール設定が必要になり、いっそう意識的に業務フローを設計することが求められるようになった。

「マネジャー・ファースト」の思考で見直す

スタンダードチャータード銀行では、ピープル・リーダーを対象にしたコーチングの研修を3度行い、何千人もの人たちが参加した。いつも定員を上回る応募が殺到しているという。カピラシュラミは言う。

リンダ・グラットン氏が来日取材し、北陸地方が高い幸福度を実現した秘密を探る番組 NHK BS1「シリーズ ウェルビーイング(1) LIFE SHIFT にっぽん リンダ・グラットンが見た北陸の幸せ」が1月28日に放送予定(撮影:梅谷秀司)

「こうしたアップスキリングを行うことにより、ピープル・リーダーたちがいわば『ペイ・フォワード』の精神を実践し、自分がコーチングをしてもらったあと、将来ほかの人にコーチングをしてあげられるようになります。そのように将来、役に立つスキルを学べるのです」

こうした取り組みを通じて、進出しているアフリカの20カ国で現地の有能な人たちが有用なスキルを育む機会をつくっている。同時に、リーダー候補生を増やすという目標に向けて前進することもできた。
働き方のリデザインに取り組む際は、マネジャーの役割を根本から見直すことも考えたほうがいい。

リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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