このようにメンバーのニーズを第1に考える発想への転換は、新型コロナのパンデミックが始まる前からすでに見られていた。しかし、コロナ禍の影響により、人々が働く場所と時間が大きく変わったことに伴い、それまで以上に複雑なスケジュール設定が必要になり、いっそう意識的に業務フローを設計することが求められるようになった。
「マネジャー・ファースト」の思考で見直す
スタンダードチャータード銀行では、ピープル・リーダーを対象にしたコーチングの研修を3度行い、何千人もの人たちが参加した。いつも定員を上回る応募が殺到しているという。カピラシュラミは言う。
「こうしたアップスキリングを行うことにより、ピープル・リーダーたちがいわば『ペイ・フォワード』の精神を実践し、自分がコーチングをしてもらったあと、将来ほかの人にコーチングをしてあげられるようになります。そのように将来、役に立つスキルを学べるのです」
こうした取り組みを通じて、進出しているアフリカの20カ国で現地の有能な人たちが有用なスキルを育む機会をつくっている。同時に、リーダー候補生を増やすという目標に向けて前進することもできた。
働き方のリデザインに取り組む際は、マネジャーの役割を根本から見直すことも考えたほうがいい。
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