「silent」で話題の"手話"ドラマや映画での描き方 映画「ケイコ」等聴覚障害者を扱う話題作も続々

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東京都聴覚障害者連盟事務局長の越智大輔さん(写真:筆者撮影)

現在話題のドラマ『silent』をはじめ、アメリカ・アカデミー賞作品賞を獲得した映画『Coda コーダ あいのうた』、そして深田晃司監督の『LOVE LIFE』など、近年、ろう者を題材とした作品が次々と公開されている。

さらに12月16日からは第72回ベルリン国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で上映された映画『ケイコ 目を澄ませて』(三宅唱監督、岸井ゆきの主演)も公開。聴覚障害と向き合いながら、実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんの生き方に着想を得て、三宅監督がフィクションとして新たに生み出した物語だ。

同作の手話監修を担当したのが、社団法人・東京都聴覚障害者連盟の越智大輔事務局長。数多くのドラマ、映画などで手話監修を行い、『silent』の企画段階でも助言を行うなど、聴覚障害者に関する社会啓蒙、普及宣伝などに広く尽力してきた第一人者だ。

そこで今回は越智事務局長に、手話監修のプロセス、そして聴覚障害者のためにエンタメ業界ができることなどについて聞いた。

手話監修はどんな仕事なのか

――『ケイコ』で越智さんは「手話監修」とクレジットされていますが、具体的にどのような手順で監修をされているのでしょうか?

私は「手話監修」でなく、作品そのものの「聴覚障害者に関わる部分の監修」と思っています。

手話が合っていても設定や内容におかしな部分があると聴覚障害者に対する誤解が生じますので、そういう誤解がないようにまず企画の段階からおかしいところがないかチェックし、次にシナリオ案の段階で内容や手話で表す場合の言葉遣いがおかしくないかチェックします。

シナリオが確定したら、次に手話をどう表すか検証します。音声言語の話し方に個性があるように手話にも個性があります。

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