「silent」で話題の"手話"ドラマや映画での描き方 映画「ケイコ」等聴覚障害者を扱う話題作も続々

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男性的な表現もあれば女性的な表現もありますし、堪能な手話もあれば学習中のぎこちない手話もある。とはいえそこまで丁寧に関われるのは時間に余裕のある映画や劇場版ぐらいで、テレビ放送番組はスケジュールがタイトですので、思っていた手話表現ができないことが多いです。

以前関わったアニメの監修で、エンディングに手話を入れたいということで、男性か女性か?と聞いたら、女性の予定だというので女性をモデルに手話を撮影してそれを参考に動画を描いていただいたのですが、時間がなくて動画チェックをしないまま、放送されたエンディングを見たらごつい男性でそれが女性的な手話をやっているものだから頭をかかえました。手話を知らない方からは「カッコいい」と好評だったようですが(苦笑)。

『silent』でアドバイスしたこと

――今、話題のドラマ『silent』にも初期段階で関わられたということですが、どういったやりとりをされたのでしょうか?

全体の監修や手話指導は手話バンドの方が担当されたそうですが、当事者団体の立場でおかしなところがないか、設定やシナリオ案のチェックを依頼されました。

高校生で聞こえなくなって、発音ができないとか、日本手話(※音声の日本語に手話単語を一語一語あてはめていく「日本語対応手話」と、ろう者独自の文法体系を持つ手話の「日本手話」がある)で話すとかは普通ないと意見したのですが、作品のテーマである『silent』にも関わることなので、声を出さないことが不自然でない設定にすることは何とかできないかという相談があり、何らかの理由で発音に対してトラウマをかかえていればありえるかも、とアドバイスして。それが放送されたような設定になりました。

――『silent』のヒットで手話に興味を持つ人も増えたといわれていますが、実際にそうしたことを実感しますか?

2025年に東京開催が決まったデフリンピックの関係で国会議員の方や大きな会社のそれなりの立場の方と話し合う機会があったのですが、そういう方々も『silent』のことを知っておられて、びっくりいたしました。

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