「ネガティブ思考な人」のパフォーマンスが高い訳 一流のアスリートだけが知る能力最大化の秘策

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特にメダリストたちは、こういったこととどうしても向き合わざるを得なくなる時があるでしょう。チャッターと向き合い、折れそうになるところを、どうやって折れずにやって来たか、ということですね。

ピンチになると、普段の自分ならできているパフォーマンスができなくなってしまいますが、それでも、普段通りにやろうとすると、不安ゾーンに入ってしまいます。

いいアスリートは、そういった場面ではあえて目標のレベルを落とします。今の自分のパフォーマンスにちょうどいい目標を設定するのです。

例えば、サッカーでサイドバックの相手がすごい選手で、「これは自分には止められないかもしれない」と感じた場合、「それでも絶対止めてやる」と思うと、不安ゾーンに入ります。

そこで、「自分1人では無理だけど、隣の選手とコミュニケーションをとりながら、2人で立ち向かえばなんとか止められそうだ。だから今は、コミュニケーションをとることがいちばん大事だ」と考えて、今できる具体的な目標に落とすわけです。

チャッターをどう客観視するか

こういったスキルを持つ選手は、外からはとても強いメンタルを持っているように見られがちです。しかし、実際には、持って生まれた鋼鉄のメンタルがあるのではなく、対処能力が高いのです。

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アスリートたちは、「チャッターをうまく客観視する練習」を、自然な形で毎日やっているとも言えます。

ただ、このことに気づいている人はまだ少ないですね。

心のつぶやきをポジティブに変える「セルフトーク」が注目されてはいますが、誤解も多いかもしれません。ただポジティブなことを言い続けていると、逆に、頭のなかにチャッターが広がってしまうこともあります。

その点、『Chatter(チャッター)』は、客観視するための方法、ネガティブなことから距離を取る方法がさまざま紹介されていて、とても参考になると思います。

(構成:泉美木蘭、後編へ続く)

布施 努 スポーツ心理学博士、Tsutomu FUSE, PhD, Sport Psychology Services代表取締役

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ふせ つとむ / Tsutomu Fuse

慶應義塾大学卒。住友商事に14年勤務後、世界的権威Dr. Gouldに師事し、ノースカロライナ大学グリンズボロ校にてスポーツ心理学博士号を取得。慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。最先端のスポーツ心理学でチーム作り、個人のパフォーマンス向上などを手掛ける。
オリンピック・パラリンピックメダリスト、プロ選手等を指導。最近ではU23日本代表野球、早稲田大学蹴球ラグビー部、東京ガス野球部、トヨタ自動車野球部、桐蔭学園ラグビー部などを担当。ライフスキルトレーニングによるリーダー育成も行う。ビジネス界では、組織構築、パフォーマンス向上などポーツ心理学の理論をビジネスに実装するトレーニングを展開。

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