現場を過剰に管理する会社が劣化する1つ目の理由は、「受け身体質」が強くなってしまうということだ。
不正や不祥事を起こした企業に共通するのは、「受け身体質が強い」ということである。
自分たちからは動こうとしない、言われたことしかやらない、やるべきことがわかっていても指示や命令を待っている……。現場の「主体性」の欠如が、活気を減退させ、組織風土を劣化させる大きな原因となっている。
「さまざまな問題」は現場で起きている。本来なら、問題が見えている現場自らが主体的に問題解決に取り組まなければならない。
また、「新たなビジネスチャンス」も現場に潜んでいる。チャンスに気づいた現場自らが能動的にチャンスを追いかけなければならない。
しかし、そんな「主体性の高い現場」は、この国から消えつつある。
「失われた30年」の最大の被害者は現場
もちろん、そんな現場にしてしまったのは、現場だけのせいではない。平成の「失われた30年」の最大の被害者は現場である。
人やコストはギリギリまで削られ、非正規社員が増える、重要な業務まで平気で外注化する、要員や設備投資だけでなく、教育費まで切り詰められる、そしてミスをすれば厳しく叱責される。
こんなことが繰り返されれば、現場は自ら動こうとしなくなる。
その結果、本社・本部任せの何も考えない「思考停止」の現場になってしまう。
また、現場管理職の管理業務は膨れ上がり、本来やるべき業務が滞り、部下の声に耳を傾けたり、育成に費やしたりする時間が奪われ、その悪循環によっても、現場はやせ細っていくのだ。
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