「新たな価値を生み出す力」が弱い日本企業
私は30年以上にわたる「経営コンサルタント」のキャリアの中で、4社の外資系ファームで仕事をし、そのうち3社ではパートナー(共同経営者)としてその役割を担ってきた。100社以上の会社と濃密なお付き合いをし、ここ10年近くは複数の会社の社外取締役、社外顧問としても経営に関与している。
会社組織が成長していくには、健全で良質な「土壌(カルチャー)」が必要だ。そして、その健全で良質な「土壌」をつくるには、「組織風土(整地化)」と「組織文化(肥沃化)」という2つの要素が必要である。
「土壌(カルチャー)」がよくなれば、強くたくましい「根っこ」が育つ。「根っこ」こそが栄養分や水分を吸い上げ、植物全体に行き渡らせる役割を担っている。
良質な「土壌」と強くたくましい「根っこ」が揃ってこそ、植物は大きく育つ。この「根っこ」を組織に当てはめれば、「組織能力」(ケイパビリティ)である。
「新たな価値を生み出す」というイノベーティブなケイパビリティ(組織能力)を磨くことは、企業にとって生命線である。しかし残念ながら、風土劣化した日本企業の「新たな価値を生み出す」ケイパビリティはやせ細っている。
その大きな理由のひとつが、「3つの壁」の存在である。では、「新たな価値を生み出す」ための障壁になっている「3つの壁」とは何だろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら