この先「稼げなくなる人」と稼ぐ人の決定的な差 アマチュアのままプロになれなければ残れない

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安定志向でリスクをとらないタイプの人材は何の役にも立たない(写真:Graphs/PIXTA)

近年、大企業の経営者たちから「VUCA」という言葉を聞くことが多くなったと指摘しているのは、『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』(東洋経済新報社)の著者、遠藤功氏。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっているという人物だ。

先のまったく読めない、不安定で不透明な環境

「VUCA」とは「Volatility」(不安定性)、「Uncertainty」(不確実性)、「Complexity」(複雑性)、「Ambiguity」(曖昧模糊)という4つの単語の頭文字をとった略語。文字どおり、「先のまったく読めない、不安定で不透明な環境」を意味している。

それが現代を言い表しているということについて、異論を挟む人は少ないだろう。しかし、その度合いが予想を遥かに超えていたことも事実。いうまでもなく原因は、わずか半年という短期間のうちに経済活動や社会活動を停滞させ、世界中の人々の生活を根底から覆した新型コロナウイルスだ。

たとえ今回のコロナが収束しても、シベリアの永久凍土が溶け出し、新たな感染症が懸念されるなど、ウイルスによるリスクは間違いなく高まっている。
パンデミック(感染爆発)のインパクトはとてつもなく大きく、長くなることを私たちは覚悟しなければならない。(「はじめにーー『コロナ・ショック』を『コロナ・チャンス』に変えるより)

事実、経済は低迷し、企業の倒産、失業者の急増、自殺者の増大、食料問題の深刻化の懸念が高まるなど社会不安は増大している。また、黒人らマイノリティーのコロナによる死亡率の高さなどの影響から黒人差別が顕著化し、Black Lives Matterのような運動も活発化している。もちろん非暴力を訴えるBLM自体は間違いなく評価に値するが、コロナを契機として、さまざまな問題が連鎖してしまったことは否定できない。

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あまり扇情するべきではないが、世界的な「コロナ大恐慌」になる可能性が高まりつつあることは事実なのである。

だが遠藤氏は、そんなコロナ・ショックも日本にとっては必ずしもマイナスばかりではないと考えているのだという。それどころか、力強い再生へとシフトする千載一遇のチャンスであるとも。それだけの回復力が、この国にはあると主張するのだ。

本書ではそのような考え方に基づき、「企業」「仕事」「働き方」という3つの視点によってポスト・コロナの時代を展望しようとしているのである。今回はその中から、最も気になる部分である「仕事」についての考察をクローズアップしたい。

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