この先「稼げなくなる人」と稼ぐ人の決定的な差 アマチュアのままプロになれなければ残れない

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昭和の時代につくられたレールはさびつき、車両はボロボロになった状態だ。にもかかわらず多くの人は、そのレールや車両にしがみつき、離れようとしなかったのである。

結果、いますぐに「昭和のモデル」をぶっ壊し、「新たなモデル」にシフトしなければ会社がもたないというほど、日本企業は窮地に追い込まれているわけだ。しかしそんななか、安定志向でリスクをとらないタイプの人材など、なんの役にも立たないだろう。

どんな人材が求められているか

グーグルやメリルリンチ日本証券、SAPなどから積極的に外部人材の幹部登用を進めるパナソニックの津賀一宏社長は、こう語っている。
「既存の人は既存のことしか考えられない。ビジネスモデルが議論できる人にきてもらう」(106ページより)

企業が求めているのは、「新たなレール」を敷き、「新たな車両」を造ることができる先進性と行動力、リーダーシップが備わっている人だということだ。

ポスト・コロナの大変革に必要なのは、「新たな価値の創造」(Innovation)と「効率性の飛躍的向上」(Efficiency)の両輪である。(107ページより)

過去の延長線上にない不連続の「新たな価値の創造」、そして「効率性の飛躍的向上」。このふたつを早期に実現できない限り、日本企業はコロナとともに沈むだけだと遠藤氏は言う。

一方、「プロフェッショナル」とは、新たなレールを敷き、新たな車両を造る人たちのこと。いま求められているのは、そうした野心とエネルギー、高度専門性を持つ人たちだということだ。

「プロ化するビジネス社会」とは、「人が生み出す価値には歴然とした差がある」という現実を認める社会のことである。(107ページより)

これはポスト・コロナのビジネスのあり方を模索していくうえで、極めて重要な視点であると言えるだろう。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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