この先「稼げなくなる人」と稼ぐ人の決定的な差 アマチュアのままプロになれなければ残れない

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すでに多くの人が実感し始めているように、テクノロジーの進展とコロナ・ショックが掛け合わさることによって、消えていく職業や職種は間違いなく増えていくに違いない。

しかし、いま目の前にあるそんな現象を“職業や職種の視点”からだけ見ていたのでは、落とし穴にハマってしまうと遠藤氏は警鐘を鳴らす。なぜなら、忘れてはならないもうひとつの大切な視点があるからだ。それは「個人差」、すなわち「個が生み出す付加価値の大きさ」だという。

言い換えれば、たとえ衰退していく職業であっても、そこにいるのが「特別な付加価値を生み出せる人」であれば、間違いなく生き残れるということだ。

例えば、AIによって公認会計士が大きな影響を受けることになるという推測は有名。つまり彼らが行う仕事の多くは、AIによって代替される可能性が高いわけである。

とはいえ、すべての公認会計士が不要になるわけではなく、AIには代替できない“高い付加価値”を提供できる公認会計士は、逆にその存在感を高めることになる。つまり、「アマチュアレベルの公認会計士」がお払い箱になる一方、「プロの公認会計士」は引く手あまたの存在になりうる。

大事なのは、「どの職業がテクノロジーによって淘汰されるか」ではなく、「その職業に従事する1人ひとりがプロなのか、アマなのか」ということだ。それによって淘汰されるかどうかの命運が分かれる。(101ページより)

すなわち、アマチュアは消えていき、プロはのし上がっていくということ。コロナ後には、「プロ化」という現象がビジネス社会で確実に広がっていくというのである。

「食える人」と「食えない人」の差は?

では、コロナ後における「食える人」と「食えない人」との差とはなんなのだろう? その点を読み解くには、「テクノロジーによる職業の代替可能性」と「人が生み出す付加価値の大きさ」(プロvs.アマ)の2軸で整理するとわかりやすいそうだ。

この分類に基づくと、ポスト・コロナの人材は次の4つに分類されるというのである。

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