1つめは「自分にはできないと思い込む『意識の壁』」である。
「イノベーション」は誰もが生み出せる可能性がある
日本では「イノベーション」という言葉が独り歩きしてしまい、世界中の人たちをアッと言わせるような「すごい発明」のことを思い浮かべる人が多い。そのせいで、「自分にはイノベーションなんて関係がない」「自分が新たな価値など生み出せるはずがない」と思い込みがちである。
しかし、「イノベーション」とはもっと身近なものであり、誰もが生み出せる可能性を持っている。顧客に「新たな満足」をもたらす「新たな価値」はすべて「イノベーション」と呼んでかまわない。ちょっとした創意工夫やアイデアも立派な「イノベーション」である。
2021年に陸上男子100m決勝で山縣亮太選手が9秒95の日本新記録を出した。日本人4人目の9秒台である。
日本人は長い間「10秒の壁」を越えられずにいた。しかし、2017年に桐生祥秀選手がはじめて突破して以来、「意識の壁」が取り除かれ、「自分にもできる」と考える選手が増え、次々に記録を更新している。
「ひとつの小さな成功事例」が起点となって、それが組織に広がり、やがて「卓越したケイパビリティへ」と昇華するのである。
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