
アメリカのドナルド・トランプ大統領が4月2日に関税を大幅に引き上げると発表したことをきっかけに、世界の主要株式市場で株価が暴落した「トランプ関税ショック」。日経平均株価も4月上旬には一時3万0700円台まで突っ込んだが、その後は急速に持ち直し、6月末には4万円台を回復するに至った。
こうした状況下で、大型株に比べて値動きが大きくなりやすい中小型株は、どのようなパフォーマンスとなったのか。
東洋経済オンラインでは、昨日配信した「3位は無印、2位がスシロー、では1位は? 2025年上半期に株価が上昇&下落した『大型株』ランキング100+100社」に続いて、時価総額2000億円未満の銘柄を対象に、2024年大納会の終値と2025年6月30日の終値を比較し、株価の騰落率を算出。上昇率と下落率でそれぞれ上位約100銘柄をランキングにまとめた。
上昇率・下落率とも上位陣は材料で大きく値が動く
上昇率で1位だったのは、ニッケル地金の販売と不動産ブローカーを主軸とするエス・サイエンス。実業家、インフルエンサーで、「元青汁王子」として知られる三崎優太氏が同社の大株主となったことをきっかけに、株価が急騰。6月4日に80円台で推移していた株価は、同月17日に422円まで値上がりした。
これに続いたのが、東北大学発の創薬ベンチャーであるレナサイエンス。脱毛症向け外用薬の治験で良好な結果が出たことを好感し、1月に株価が急上昇。5月に入ると今度は世界的な長寿医療コンペティションで入賞したことが材料視され、株価は再び上昇した。
一方、下落率でトップだったのは、AI(人工知能)ベンチャーのオルツ。4月に売り上げの過大計上疑惑が発覚したことを端緒として、株価が急落。4月25日の417円から5月1日には113円まで下落し、6月末には91円まで値を落とした。
下落率2位は、不動産再生事業などを手がけるREVOLUTION。同社は昨年10月に高額の株主優待を実施すると発表していたが、一度も株主優待を実施しないまま、今年3月になって株主優待の廃止を決定。これを嫌気した売りがかさみ、昨年末に322円だった株価は今年6月末には65円まで下落した。