多くの日本企業が「組織風土の劣化」で活力を失っている
私は30年以上にわたる「経営コンサルタント」のキャリアの中で、4社の外資系ファームで仕事をし、そのうち3社ではパートナー(共同経営者)としてその役割を担ってきた。100社以上の会社と濃密なお付き合いをし、ここ10年近くは複数の会社の社外取締役、社外顧問としても経営に関与している。
しかし、私はずっと考えあぐねていた。なぜ日本企業はこんな状況になってしまったのか。
近年、日本を代表するような大企業の不祥事が多発している。品質問題や検査不正問題、エンジンの排ガスや燃費の性能偽装問題、繰り返されるシステム障害……。こうした会社は、どこに本質的な課題を抱えていたのか。
不祥事を起こした企業だけに限ったことではない。多くの日本企業が、組織風土が著しく劣化し、活力を失い、沈滞している。そんなとき、ある外資系企業A社に務める知人から、こんな話を聞いた。
「うちの本社のCEOは、ことあるごとに『カルチャーがなにより大切だ』と言いつづけている」
イノベーションを生み出しつづけている大手企業のCEOが、イノベーションや技術戦略の話ではなく、「カルチャー」の重要性を熱く説きつづけているのだ。
GAFAM(ガーファム)に代表される海外の優良企業も、独自のカルチャーを「目に見えない最大の資産」として形成することに成功し、発展しつづけている。
海外のエクセレント・カンパニーにあって、日本企業にないもの。それは「カルチャー」だ。
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