GAFAMにあり日本企業にないのは「カルチャー」だ 御社の「組織風土」は問題ありませんか?

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不祥事を起こした企業は「整地化」ができておらず、土が荒れ果てた状態である。まずはみんなで汗をかき、土を耕し、石ころを拾い、雑草を抜かなければ、種をまくことすらできない

土が整ったあとは、肥料を与え、丹念に手入れをし、肥沃な土壌へと改良する。それが独自の「組織文化」の形成につながる

では、「健全で良質な『土壌』」が整ったら、どうなるか。それは、「『根っこ』が強くたくましく育っていく」のである。

「良質な土壌」があるから「強靱な根っこ」が育つ

土がよくなれば、強くたくましい「根っこ」が育つ。「根っこ」こそが栄養分や水分を吸い上げ、植物全体に行き渡らせる役割を担っている。吸い上げる力、行き渡らせる力が強ければ、太い幹が育つ。逆に、力が弱ければ、貧弱な幹しかできない。

外からは見えないが、良質な「土壌」と強くたくましい「根っこ」がそろってこそ、植物は大きく育つ。この「根っこ」を組織に当てはめれば、「組織能力(ケイパビリティ)」に該当する。

組織に内包される能力が高ければ、事業という「幹」は大きく育ち、やがて、利益や顧客満足という「花」や「実」がなる。つまり、企業が持続的に成長、発展するためには、「健全で良質なカルチャー(土壌)」の醸成に加えて、「組織能力」という「ケイパビリティ(根っこ)」を高めることが必要となる。

企業における組織能力の多くは、経営における実行を担っている現場に内包されている。それを私は「現場力」と呼び、現場力こそが日本企業における競争力の源泉であると言いつづけてきた。それは私の「ぶれることのない軸」である。

しかし、「カルチャーの重要性」に気づいた私はいま、大いに反省している。それは「現場力」というものの重要性や可能性を矮小化して捉えていたことに気づいたからである。

「現場力」は「組織能力」としての側面だけでなく、「カルチャー(組織風土+組織文化)」という視点で捉えることがきわめて重要なのだ。

次ページ「現場力」という概念は「二重構造」
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