チェーン店が次々撤退!「1人勝ち喫茶店」の真実 「全国チェーンが撤退する街」でも流行る秘密
人通りはあるのに「チェーン店が撤退する街」
円谷プロダクションの旧本社があったことから、「ウルトラマン発祥の地」としても有名な小田急線祖師ヶ谷大蔵駅に「黒田珈琲」というお店があります。
ここのホットケーキは実に魅力的です。こんがり焼けた中ぶりのものが2枚。1枚目の中央部分が型でくり抜かれていて、そこからバターが染み出しています。型は、桜、星、ハート、蝶の4種類あり、季節や天候によって使い分けています。脇には、生クリームやバニラアイスが添えられています。
開業は1988年で30年を超える歴史を持つ喫茶店です。しかし、「黒田珈琲」があるこの街、実は大手飲食チェーン店が次々に出店しては撤退を繰り返していて、大手チェーン店の間では「鬼門」として知られているのです。
ドトール、サブウェイ、モスバーガー、サンマルク、シャノアールなど、ことごとく撤退。あのマクドナルドまで撤退したのです。
人通りがないかといえば、そんなことはありません。祖師ヶ谷大蔵駅の平均乗降客数は約4万8000人。急行や準急が停車する成城学園前駅や経堂駅には及びませんが、狛江駅や喜多見駅を上回っています。それなのに、なぜか数々の大手チェーン店は撤退してしまっています。
そんな街で、「黒田珈琲」が長年支持される理由がたった1つあります。それは「わざわざ行く理由」をつくり出していることです。家路を急ぐ通行人たちが「ちょっと寄っていこうか」と思う「特別な何か」を、このお店はつくり出しているのです。
では、「大手チェーン店が撤退する街」で支持される「繁盛するための工夫」とはどんなことでしょうか。ここでは、「3つの創意工夫」を見ていきます。
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