コメダ珈琲、スタバとはまるで違う愛され方

"名古屋人"が全国区になれた居心地の良さ

名物の「シロノワール」(写真:コメダ)

「喫茶店が減る時代」に店舗を拡大

あまり知られていないが、今年は「コメダ珈琲店」(コメダ)が創業して50年になる。1968年2月1日に名古屋市の下町・那古野(なごの)に開業した小さな店が始まりだ。

たった1つの店が半世紀で巨大化した。現在、コメダの国内店舗数は795店、海外を加えて800店だ(2018年4月末現在)。これは首位「スターバックスコーヒー」の1342店(2018年3月末現在)、2位「ドトールコーヒーショップ」の1124店(2018年3月末現在)に続く国内3位。上位2ブランドとはまだ差が大きいが、かなり背中が見えてきた。

一方、国内の喫茶店数は大幅に減った。総務省統計局の経済センサスをもとにした全日本コーヒー協会資料によれば最盛期の1981年には15万4630店を数えたが、最新データでは6万9983店(2014年)。30年余りで半分以下になった。

なぜ喫茶店が減る時代に、コメダは店舗拡大できたのかを、多方面から考察したい。今回は経営指標ではなく「消費者心理」の視点で考えてみよう。

「カッコつけないで行ける」店

筆者のコメダ取材歴は10年以上になる。『日本カフェ興亡記』(2009年、日本経済新聞出版社刊)という著書を上梓するため、まだ店舗数300店台だった同社の取材を始めた。当時は東京都大田区に出店(2007年)していたが全国的には無名に近い存在。ただし名古屋での知名度は抜群で、地元在住の40代のビジネスパーソン(取材時)はこう話した。

「コメダのよさは、変にカッコつけないところ。仕事やプライベートで改まった話をする場合はともかく、地元の友人などと一緒のときは普段着感覚で使える」

いま振り返ると、このコメントはコメダの本質をついていた。「カッコつけない店」だったからこそ、コメダは全国展開でき、全世代が使える店になったのだ。メニューでもカッコよさは打ち出さない。たとえば「ピッツア××」ではなく「コメダ特製ピザ」となっている。

次ページ創業者がめざした道
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • 北朝鮮ニュース
  • 食べれば世界がわかる!カレー経済圏
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
白川日銀前総裁インタビュー<br>中央銀行の役割とは

退任から5年半。総裁就任前を含め、日銀とともにあった足跡を記した著書『中央銀行』が出版された。なぜ今沈黙を破ったか、金融政策が数々の批判にさらされたのはなぜか。日本経済の持続可能性への思い、中央銀行の果たすべき役割とは。