コメダ珈琲、高齢者を虜にする「もう1つの顔」 愛知県内のみで展開する「和風喫茶」の潜在力
6月に東証1部に株式上場したコメダホールディングス。その傘下のコメダは、独自の喫茶店文化を持つ愛知県で創業し、今や東北から九州まで約680店舗を擁する一大チェーン「珈琲所 コメダ珈琲店」を運営する会社としておなじみだ。今年は中国・上海に海外1号店をオープンしている。
そのコメダが、コメダ珈琲店以外にも店舗を手掛けているのをご存じだろうか。ひとつは高級喫茶店の「吉茶(きっちゃ)」で、2005年に1店舗を実験的に開店したものの、2013年に閉店した。もうひとつは1999年に第1号店をオープンした「甘味喫茶 おかげ庵」で、こちらは現在7店舗を構えている。
平日の昼過ぎ、広い駐車場の多くが埋まっている
東京在住の筆者におかげ庵の存在を教えてくれた名古屋在住の知人は「おかげ庵は高齢者のたまり場になっている」と付け加えた。和風喫茶を訪れる人はもともと高齢者が多いという印象だったので、さほど違和感はなかったものの、この言葉の真意を探るべく、6月に名古屋郊外の住宅街にある店舗へと向かった。
平日の昼過ぎに訪れると、広い駐車場の多くが埋まっている。高級輸入車も数台目にすることができた。名古屋はクルマ社会なので、郊外の喫茶店は駐車場を用意するのが当然であり、おかげ庵も市の中心部にある店舗を含めて、すべて駐車場を備えている。
店に入ると、半分以上のテーブルが埋まっていた。53歳の筆者より上と思わしき客が過半数を占めている。車いす利用者もいた。確かに、高齢者が多い。
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