賃金上昇を待つより、投資してしまったほうが断然効率がいい決定的証拠

リスク性資産が少ない日本の家計
日本の家計の問題は、金融資産における株式の保有割合が欧米と比べて低いことです。換言すれば、インフレに脆弱ということです。
家計が保有する株式比率は2024年3月末現在、株式が14.2%、投資信託が5.4%で合計すると約2割です。それに対して米国は株式が40.5%、投資信託が12.8%と約5割で日本を圧倒しています。ユーロ圏は株式が21.5%、投資信託が10.6%と約3割ですから、やはり日本の家計はリスク性資産が少ないという現状があります。
米国の個人消費が強い理由として「資産効果」は重要です。それに対して日本の家計で株式の保有割合が少ない理由は、バブル崩壊で株式の悪評が定着してしまったことに加え、長らく続いたデフレによって株式を持つ必要性が低かったことで、個人投資家の裾野がさほど広がらなかったことです。
それが2010年代前半まで株価が停滞していた理由の一つでもあります。政府がいくら「貯蓄から投資へ」を促したとしても、インフレ対策として株式を保有する必要性に乏しかったと言えます。
しかし、インフレ経済に移行した日本において、家計が株式を保有していないことは「弱点」になりかねません。個々の家計にとっても、日本経済全体にとっても、インフレに脆弱となってしまいます。
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