賃金上昇を待つより、投資してしまったほうが断然効率がいい決定的証拠

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仮に、現在のインフレに直面する以前に家計が株式をそれなりの割合で保有していれば、インフレによる負担増は株式の値上がりと配当で十分に吸収できていた可能性があります。

たとえば、日経平均株価が2万3000円程度で推移していた2020年1月に日経平均株価に連動するETFを100万円分購入していたら、2024年末時点で70万円強も値上がり益がありました。NISA口座での買い付けであれば税金はかかりませんから、それだけの利益が出ていれば、平均的な家計において生活必需品の値上げを吸収してなお余りある利益を獲得できていたと思われます。

また株式を保有することは、「後回しにされる労働者への還元」で割を食う事態を回避することにも役立ちます。

直近3年で名目賃金の上昇は加速し、賃上げが定着しつつあるとはいえ、今後、企業経営者が利益を犠牲にしてまで、賃上げを続けるとは限りません。企業収益の改善ほどには賃上げが進まず、労働分配率がさらに低下する可能性は否定できません。

資本効率の改善が求められる中、経営者は株主からのプレッシャーにも配慮する必要があり、資金の振り分け先として「配当(自社株買い)>賃金」となりかねません。

株式投資は、格差を逆手にとる頭脳プレー

そのように経営者が株主のことばかり気にし、労働者がそれに苛立ちを覚えるならば、それも株式を保有することで、そうした状況を逆手にとることができます。

経済成長率や実質賃金の伸び率よりも証券投資など資産からの収益率が上回り、富める者がさらに潤う構図は、日本に限らず多くの国で起きています。株式投資は、そうした格差を逆手にとる頭脳プレーです。

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