成果主義が「仕事ができない人」を放置する大矛盾 仕事ができる人のやる気削ぎ、揉め事も引き起こす

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【固定給と変動給の割合、および変動給が支給される程度】

固定給とは、年収のうち必ずもらえる部分である。これに対して変動給というのは、例えば賞与などの業績によって支給額が変わる部分である。

例えば固定給が年間500万円の人が年間50万円の賞与を支給されたら、「固定給の10%が変動給」という見方をする。

固定給に対する変動給の割合が大きくなるほど、成果主義の色合いが強くなる。

もっとも、特に日本の大手企業の賞与は、企業の業績変動によって多少支給額は変動するもののさほど大きな変動がないのが一般的である。

加えて、個人の評価によって多少金額に差はつくものの、これも一般的にはその差はあまり大きくない。

これに対して外資系企業の変動給は、固定給に対して20%から25%、企業や職種によっては30%以上ということもある。

しかも、企業業績によって変動給が支給されないことも珍しくない。ただし、逆に業績が良い場合は予定を大きく上回る場合もある。

加えて、賞与が支給される場合には、個人の評価によって大きく金額に差がつく。

これこそ成果主義なのである。

成果主義のねらい

成果主義の人事制度を導入する狙いはなにか。

簡単に言えば、ハイパフォーマーとローパフォーマーを特定し、ハイパフォーマーは魅惑し、企業に留め、ローパフォーマーにはその状況を伝えて改善を図り、従業員全員を成長させながら企業業績を高めることが狙いである。

しかしながら現実は、ハイパフォーマーを特定し、彼ら彼女らを魅惑するところまではやるのだが、ローパフォーマーを特定しその状況を伝えて改善を図るアクションがなおざりになっている場合が多い。

人間は、特に日本人は、人に対してネガティブなフィードバックをするのが苦手だからである。

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