これまでは「ほどほどの成果」をあげていればさほど文句を言われなかったのが、ある日突然その程度ではだめだと言われ、過去を否定された気分にもなっただろう。
成果主義の性格を決める要素
「成果主義」の強弱は、主に次の3つの要素の程度による。「評価期間」、「評価分布」、そして「固定給と変動給の割合、および変動給が支給される程度」である。
【評価期間】
評価期間はおおよそどこの企業も半年、あるいは1年であることが多い。
評価期間を半年毎にする最も大きな理由は、年2回の賞与査定のためであるが、ベンチャー企業では、事業のスピードを考慮して半年ごとに企業目標と個人目標を見直す企業も少なくない。
この点ではどこの企業も同じように見えるのだが、差が出るのは設定する目標の時間軸である。
一般的に従業員が抱える個人目標は、短期に結果が出る目標だけではなく、いま種を撒いて将来刈り取るタイプの目標もある。
しかし成果主義を強めすぎると、どうしても目に見えやすい短期の成果を追求しがちになり、じっくり将来を見据えた取り組みがやりにくくなる。
そしてこれが目標管理制度を形骸化させる引き金になりやすい。
このような場合には、最初に中長期でのゴールを明確に設定し、各評価年度の目標設定では最終目標達成に向けてのステッピングストーン(踏み石)を置いて取り組むのが良い。
【評価分布】
評価分布というのは、従業員を例えばS・A・B・C・Dの5段階で評価し、最も高い評価のSは全体の何%、Aは何%というような分布のことをいう。
成果主義の色合いを強めるには、この分布の真ん中であるBの割合を高める。
これにより、少数のハイパフォーマー群(SとA)とローパフォーマー群(CとD)を浮き出たせ、例えばハイパフォーマー群には手厚い昇給を、ローパフォーマー群は昇給無し(場合によってはマイナス)、中間層(B)にはそれなりに、という扱いを施すのである。
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