
会社にいるから鮮度の高い情報が入ってくる
「会社辞める? アホか! 定年までおらんでどうすんや!」
私がそう怒鳴りつけられたのは、まだ生命保険会社の会社員だった、50代初めの頃。私は最初の著書を出版し、その本を読んだ朝日新聞の記者に声を掛けられて、朝日新聞土曜版の「be」に連載を始めたところでした。
連載のテーマは、「会社を辞めて独立した人」。中高年以降に会社を退職して別の仕事に就いた人を実名で毎週一人ずつ紹介していました。今は亡き八房梅香さんという、明石市役所の職員から大道芸人に転じた方に取材をしていたのです。
話の途中、「それで君はこれからどうするんだ?」と聞かれた私は、「もう2、3年して、執筆が軌道に乗るようだったら独立も考えています」と答えたのですが、八房さんは、「アホか!」と怒り出して、そのまま2時間も正座のまま説教を受けました。
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