44歳会社員「年収半減」でも業務委託を選んだ勝算 「それだけあれば、兼業で何とかカバーできる」

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オフィスで笑顔の中年男性
働き方改革やリモートワークの広がりで、独立・起業ではなく「第二の本業」をもつ中高年会社員も増えている(写真:kouta/PIXTA)
人事コンサルタントとして活躍する田代英治さんは、40代で大企業との雇用契約を業務委託契約に変更して、引き続きその会社の人事部で働きながら、会社の外では人事コンサルタントとして活躍してきた経歴を持っている。業務委託に切り替えた当時、年収は半減し、家族の反対もあったという。それでも、業務委託を選んだのはなぜか。いま振り返って、その選択はよかったのか。これらの疑問に応えるために、長年、中高年の会社員や定年後に活躍している人たちを取材し続けてきた楠木新氏が、会社べったりでも、独立・起業でもない、第3の道として「二つの本業」を成功させるヒントを、田代さんに聞いた。

「言ってすぐに後悔しました」

楠木新(以下、楠木):田代さんは長年、川崎汽船という大手企業で人事部に勤務され、異動の話が出たのをきっかけに会社と交渉して、雇用契約を業務委託契約に変更しました。今ならともかく、十数年前には非常に珍しいことだったでしょう。

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田代英治(以下、田代):私より以前には社内にそうした例はありませんでした。私の場合、2004年に出版された秋山進さんらの『インディペンデント・コントラクター』 という本を読んで、雇用契約以外の働き方もあるのだと知りました。異動の話が出た時に、「人事の専門家を目指していたので、部署を移りたくない」という思いがあって、とっさに「業務委託」という言葉が出てしまったんですが、言ってすぐに後悔しました。「こんなことを言って、もしかしてこのまま退職することになるんじゃないか」と不安になったのです。

楠木:十数年前に田代さんからその話を伺った時には、「よくそんなことが言えたなぁ」と感じました。

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