44歳会社員「年収半減」でも業務委託を選んだ勝算 「それだけあれば、兼業で何とかカバーできる」

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

楠木:働き方改革やリモートワークの広がりで、第二の本業もやりやすくなった印象がありますが、そういう人は実際に増えているのでしょうか?

田代:増えていると思います。私の人事コンサルタント会社の仕事を手伝ってもらうために、マッチングサイトで人材の募集をかけたことがあります。そうすると、いろいろな立場の人たちが応募してくれて、なかには「兼業でやりたい」という大企業に勤める人もいました。やはり、ここ1、2年でそうした流れが出てきているんですね。

楠木:私の場合は、会社には何も言わずに第二の本業に取り組んでいたのですが、田代さんのケースは会社に対してもオープンにして、きちんと契約して取り組んでいます。1つの典型というか、とてもいい事例だと感じます。「自分も同じような働き方をしたい」と、田代さんに相談に来る人はいますか?

田代:そこはあまりないですね。むしろ転職の相談に来る人はいます。だいたいもう心は決まっていて、最後の一歩を踏み出すために相談に来られるんですね。

「今も心理的なハードルは高いと思います」

楠木:なるほど。基本はまだ「このまま会社で働くか」「辞めて起業や転職するか」の二者択一なのですね。田代さんのような働き方を広げるために、会社に期待することはありますか。

田代:私が業務委託契約への切り替えを切り出した時は、「このままキャリアが終わりになるんじゃないか」という不安がありました。今もそういう心理的なハードルは高いと思います。ですから会社に業務委託契約を認める制度があるといいと思います。

楠木:たとえば健康機器のタニタさんのような制度ですね。タニタさんの場合は、希望者に対しては、「社員を個人事業主に代えていこう」というトップの方針があるようですが。

次ページ「あのとき踏み出してよかった」という思い
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事