てぃ先生「子がいないくせに」反論の正当性と矛盾 プロにプライベートの経験を問うのはアリなのか
この数日間、ネット上で「プロフェッショナルの仕事とプライベートでの経験」にまつわる論争が起きています。
その発端となったのは、保育士でYouTuberの、てぃ先生が13日放送の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演したときの発言。この日は「結婚観の違いで大激論!新婚さんVSおひとり様」というテーマで放送され、おひとり様のメンバーとして出演した、てぃ先生は、「SNSやニュースのコメント欄で『あいつ、子供もいないくせに子育てのアドバイスを送ってる』とか言ってくる人がいて、さんまさんとかは面白く言ってくれるから全然いいんですけど、あいつらは嫌味だけで言ってくるので」と不満を漏らしました。
さらに、てぃ先生は、「お家の中の子供って、今の時代、多くても1人か2人ですよね。でも保育園って1日何十人もの子供たちを見ているわけです。経験や知識が違うわけですよ。なのに子供がいるかいないか、結婚してるかしてないかで、『あいつのアドバイス、意味あるのかないのか』って決めつけるな!」とカメラを指さしながら一喝。最後は一転して笑顔になり、スタジオにも笑いが起きていましたが、ネット上に物議を醸す結果を招いてしまいました。
もちろんバラエティ番組だけに、笑いを取ろうとして言ったニュアンスはあるのでしょう。しかし、その口調と内容は「本音が混じってなければ言えない」とみなされ、「それは違うのではないか」などと批判する人も多かったようです。てぃ先生は、先週の静岡園児バス置き去り事件でもメディア出演をしていたように、今や保育のトップ識者。いつも笑顔で温和な印象を持っていた人も多いだけに、ショックを受けてしまうのも仕方がない気がします。
てぃ先生の発言には何らかの問題があったのか。それを批判する人々の意見は正しいのか。さらに保育士という職業だけでなく、「プロフェッショナルの仕事とプライベートでの経験」という観点から、今回の論争を読み解いていきます。
“子育て”と“保育”は似て非なるもの
ネット上で最も多かったのは、「“子育て”と“保育”は違う」という声。てぃ先生の言う通り多くの園児を見てきた経験や知識が貴重であることは間違いない一方で、「それが家で効果があるのか、自分の子に当てはまるのかはわからない」ということでしょう。
まだ読み書きのできない園児でも「保育園は家族ではない人が集まる場所」であることを何となくわかっていて、だからわがまま放題ではなく、子供なりに遠慮や我慢をするもの。また、「相手が親ではなく先生だから言うことを聞こう」という傾向もあり、たとえば、食べ物の好き嫌いでも「保育園では食べるのに、家では絶対に食べない」というケースをよく聞きます。
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