てぃ先生「子がいないくせに」反論の正当性と矛盾 プロにプライベートの経験を問うのはアリなのか

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ネット上に書き込まれるさまざまな声を見ていて救われたのは、「てぃ先生の言いたいこともわかるし、親の言いたいこともわかる」という冷静な見方をしている人が多かったこと。

感情的に、てぃ先生を批判するのではなく、「日ごろ保育に向き合い、経験や知識を積み重ねていて、園児や親の性格や家庭事情などによってさまざまな対処方法を提案しているのだろう」とリスペクトしている様子が伝わってきたのです。それはネット上に書き込んでいる人の多くが子育てをしている人であり、だからこそ保育士への感謝を含めたリスペクトがあるのでしょう。

ただ、子育ての当事者だからこそ、それだけではなく「“1つ”言わせてくれ」という気持ちがある様子もうかがえました。その“1つ”も、また多くの人々が同じようなことを書き込んでいたのです。

それは「てぃ先生に限らず、どんなに優れた保育士でも、『自分の子供を思い通りに育てられるか』というと話が別ではないか」という意見。仕事としてたくさんの子供を一定時間育てることと、プライベートで自分の子供と24時間向き合うことは、感情面でも環境面でも別物であり、それは経験してみないとわからないだろうと見ているのです。

保育士たちのリアルなコメント

その答えはネット上で見つけることができました。今回は「現役保育士です」「元保育士ですが」と明かしたうえで意見を書き込む人がかなり多く、私がざっと見ただけでも30人前後はいました。てぃ先生と同じ保育士という立場であるうえに、親として子育てもしているからこそ、彼らの言葉は説得力で満ちています。

「私も保育士で、自分の子もいるけど保育園での保育と子育ては、全然違う。(中略)両方大変なことがあるしその立場にならないとわからないことが沢山ある。てぃ先生も沢山の子どもと関わり、今まで学んできたことからアドバイスしているのだから、専門的なことは学ぶことがあると思うので、子どもがいないからとは思わない。でもきっと、てぃ先生も自分が親になって初めて知る子どもの姿もあるのではないかとは思う。私は、子どものことは知っていても、親の立場からの悩みは、親になってわかったことが沢山あるから」

「独身の時には気づかなかったこと。子供を育ててみて、気づいたことがたくさんあります。勉強して得た知識と実体験で得た知識は違います。また保育士として子供に接するのと、親として子供に接するのでは当然ながら立場が違うのですから。私事ですが、保育士してたから自信を持って子育てできる!と若い頃は思ってました。でも大きな間違いでした。子供は成人し、独立しましたがやり直せるものなら1から子育てをし直したいと後悔してます」

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