人間関係で「燃え尽きた人」に足りなかった視点 自他の境界線を引けないと搾取されるばかりだ

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反発とは、あなたとの関係に変化が生じたとき、人が抵抗の手段として示す典型的な反応です。最初は混乱するかもしれません。でも、相手があなたを尊重してくれさえすれば、こうした変化も受け入れてもらえるようになります。私たちは誰もが成長し、進化するのですから、人との関係だってそうでなければいけません。

反発はいつでもあり得ます。あなたが線引きをしたときでも、あるいは時間が経ってからでも、あなたの境界線を認められないと思う人は反発するのです。

反発は恐れの表れ

反発は、変化と、快適な環境から押し出されることに対する恐れの表れです。「変化」とは悪い意味の言葉ではありませんが、人によっては人間関係が新たなあり方へ変わることを難しいと感じてしまうものです。

キムの例で言うと、もしキムが友達に、「引っ越しの手伝いはできない」と言ったとしたら、友達は理解を示すように一旦は「分かったよ」と答えるでしょう。そして翌日になって「本当に力を貸してくれないの? いつも手伝ってくれるじゃない」と言うのです。

他にもこんな反応が返ってくる可能性があるでしょう。

・「うーん、1人でやれるか分からないんだけどな」
・「それって不公平じゃない?」
・「こっちにも事情はあるんだけど、まあ、あなたを変えようとは思わないよ」

そうした反発に対応するにはどうすればよいでしょうか。

まず、他者が抱く不安について耳を傾けることです。あなたの設けた境界線について、もう一度説明しましょう。

たとえば……

・「知らせてくれてありがとう。でもお願い(境界線)を変える気はないんだ」
・「私の境界線が気に入らないのは分かったよ。でも、私が人付き合いの中で安心感を得るためには必要なんだ。線引きをすると、安心できるんだよ」
限界を試す

幼いうちは自立するためのプロセスの一環としておこなうため、子どもに多い行動ですが、大人も同じ振る舞いをします。一旦はあなたの話を聞き入れますが、どのくらい譲歩してくれるかを試すのです。キムの例で、「引っ越しの手伝いはできないよ」と言ったとすると、友達は「じゃあ来週ならどう?」と返してくる、といった具合です。キムがどのくらい柔軟に考えてくれるか推し量ろうとしているのです。もしもキムが「来週ならいいよ」と返事をしたら、それは彼女の境界線がまだまだ柔軟であることを示す明確なメッセージになります。

そしてさらに、こんなふうに言われるかもしれません。

・「あなたの言い分を聞く必要はないな」
・「あなたが助けてくれるか、もう一度確認させてもらうね」

そのように限界を試された場合、どうしたらよいのでしょうか。気づいた言動について、はっきり言いましょう。たとえば「私の限界を試してるでしょ」というように。試されるとどんな気持ちになるかを伝えるのです。そして「私の境界線を尊重してもらえないと、……と感じるんだ」と、改めて説明します。

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