プロが実践!「勉強する気」をひねり出す5つの手 指導者が使っている10のメソッド(前編)

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例えば、小5の算数でつまずいている子がいたとします。まずは、その子がどの部分でつまずいているか調べます。すると小3で学ぶ分数でつまずいていることがわかったとします。

では、分数からやろうと思うかもしれませんが、そこからは教えません。もう1つ前の“できている部分”から始めます。それが掛け算の九九だとしたら、その計算から始めるわけです。

すでにできている部分をなぜ改めてやる必要があるのか。

考えてみてください。小5の算数ができない子が、学年をさかのぼって小3の分数からわかっていなかったとわかったときの心の状態を。

そうとうやる気がない状況にあると思います。その状態で、前向きに小3で習う内容を勉強するでしょうか。

そこで“できている部分”までさかのぼり、小さな成功体感を積み重ねていくわけです。

具体的には次のように話をします。

「これ(九九)できるのか! なら大丈夫。ただ少し訓練しよう。いかに早く解けるかが大事だよ」

簡単な問題だと子どもはバカにしてやらないこともあります。ですから「いかに早く正確に解けるか」を目指していきます。そろばんや百ます計算は、まさにこれをやっていると言えます。

すると、わからない問題は1つもなく、早く解くことに意識が向かいますので、やる気が出てくる可能性が高くなります。できる感覚がつき、飽きてきたら次の分野に向かいます。すると「できる」という感覚を持ったまま、次に進めるため、「できるはず」という意識で前向きに問題に取り組んでいけたりもします。

勉強の現在位置と目標が見える状態にする

(3)進捗の「見える化」

プロの先生たちの多くが行っているのが、どこまで勉強が進んでいるのかの進捗を可視化することです。

例えば授業のはじめに「じゃ、目次開けて。今、第2章の第3節まできていて、今日は第4節をやるよ。ここまでくると、全体の3分の1まで終わったことになるからね」と言ったりします。

逆に「今日は〇〇ページをやります」から勉強が始まったら、子どもたちはどう思うでしょうか。今、自分はどこにいて、これからどこに向かうのかということがわからず、先が見えずに途方にくれたりもするでしょう。

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