貯まったお金の使い道に困るというまさかの事態 稼ぐのも大変だが「ちゃんと使う」のも難しい

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そうだよ放ったらかしはいかん。縁あってわが元へ集まってきてくれたお金さんたちなのだから、その嫁ぎ先を、私は責任を持って見つけてやらねばならない。貯めて喜んでる場合じゃないんである。

「寄付する」にも覚悟が必要

で、次に考えたのは、使い道のないお金は「寄付する」ということだった。

これはもう間違いなしではないだろうか? 自分で使うわけじゃないから恐れていた「不幸な事態」もやってこないし、人様に、とりわけ困った人に喜んでいただけるのであれば大変光栄だし先方も助かるに違いない。どこからどう考えても最適な方法である。

というわけで、早速どこに寄付すべきか情報を集めてみると、日本でも世界でもありとあらゆる志を持った人たちが寄付を募っていることがわかった。まさによりどりみどりである。

でもどうせ寄付するなら自分が心から関心を持てるところにしたい。それは一体何だろう? 

阪神大震災を経験している身としては災害支援。節電野郎としては終わらぬ原発被害も当然気になる。それにそもそも私、気楽な独身者だからこそこんなふうに「お金が余った」などと言っていられるわけで、それを思えば子供の問題に取り組む団体がいいかもしれない。いやそれなら世界の子供にも目を向けるべきなんじゃ……などと考えているとなかなか絞り込めない。

っていうか、そもそもどんな団体であれ、大前提として、大事なお金を託すとなれば「ちゃんと役立てて」ほしいと思う。となれば、ただ寄付するだけじゃなく、誰がどう運営しているのか、具体的にどのような事業計画でどこでどのようにお金が使われているのかをきちんと知るべきなんじゃないだろうか?

そう考えると、ただポンとお金を出すというのも無責任なのかもしれないと思えてきた。だって普通に考えて、どこぞの見知らぬ誰かから予期せぬまとまったお金が送られてきたら、それは案外悪い結果を生むんじゃないだろうか? 

宝くじが当たった人の人生が暗転することが珍しくないように、せっかくの地道な活動も、急に妙なお金が舞い込んだことで調子が狂って不要な波風が立ったり、細かい資金集めに身が入らなくなったり、最悪の場合お金をめぐってもめごとやぶんどりあいが始まったりすることだって考えられる。

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