疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第16回をお届けします。
「街がわが家」という脳内革命
確かに、わが新居は狭い。古い。収納もない。もちろんオートロックもない。おまけに壁も薄くて、お隣家族のオッソロシイお父さんの怒鳴り声が「ハイ!」と返事をしたくなるくらい丸聞こえ。それまで住んでいた豪華マンションとはどう考えてもあまりにも大きな違いである。
で……それが何か?
と、心から思えたら強いのであろう。とりあえずは勝ちである。っていうか最強だ。たとえそれが、他人様から見ればどう考えても強弁であろうが、勘違いであろうが、本人の心さえ揺るがなければまさしく「それが何か?」である。
結局、人とは認識の動物なのだ。
客観的に存在すると誰もが思い込んでいる世界も、よくよく考えれば自分が「見たいものを見たいように見ている」世界にすぎない。
つまりは人とは考え方が10割。我らは所詮、全員が裸の王様なのだ。「王様は裸だ!」と子供に笑われようが、いやいや君には裸に見えるかもしれないがそれが何か? と心の底から思うことができたなら何の問題もなし。服など一着も持たずとも堂々と生きていけるであろう。
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