モノのために「高い家賃」を払うのをやめてみた すべてを「所有」しなくていいという驚きの発見

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試しにパラパラめくってみると、ああやっぱり面白そう! 予想だにしなかった事態である。一体これはどうしたことかと考えて、私はすぐに得心した。

おそらくこの店の主人と私は、興味・関心の方向性が似ているのである。そうか、これが古本屋というものなのだ。

通常の本屋ではこうはいかない。次々と出る新しい本を仕入れて店頭に並べなきゃならんので、店主の趣味など反映する余地はほとんどないに違いない。それどころか、これだけ大量の新刊本が次々出てくると、とてもじゃないがいちいち中身を把握する暇すらないのが普通であろう。

だが古本屋は違う。どんな本を仕入れるのも店主の自由。つまりは店主のお好み次第。そうか。古本屋ってただ汚れた本を置いているわけではなかったのだ。いわば本のセレクトショップである。さらに言えば、誰かのお宅のでっかい本棚のようなものと言ってもいい。

「気に入った古本屋」=「最高の本仲間」

いやー、何ちゅう素晴らしいシステムなんだ!

だって、ということはですよ、気に入った古本屋を見つければ、それは自分にとって最高の本仲間を見つけたようなもんで、そこに行けば間違いなく自分の気に入った本が見つかるに違いないのだ。現にここにある本だけでも全部買いたいくらいで……とホクホク考えていたところでハッと我に返った。

何を身の程知らずなことをほざいているのか。今の私には、新たに本を買うことなど許されないのだ。何しろ今家にある愛読書ですらまもなく置き場所を失うのである。どうにかして処分しなきゃならんのである。だからこそ悩んでフラフラ散歩に出てきたのである。

全くこんなとこでコーフンしてる場合じゃ……と情けなく苦笑していたとき、まさしく天啓のごとく、ある画期的なアイデアがわが脳天に降りてきたのであった。

……そうだよ。何も全部一気に買う必要なんてない。読みたい本があれば、1冊買って、読み終わったらまたここに売りに来れば良いのである。

そもそもご主人が好きで仕入れた本ゆえ当然喜んで引き取ってくれるであろう。で、私はそのお金で次の本を買い、また読み終わったら売りに来て……ってことを繰り返せばいいだけなんじゃないか? そうだよそれならば、家に本棚がなくたって永遠に好きな本読み放題!

次ページ「このオシャレな本屋さんが、うちの本棚」
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