初めて一人暮らしを始めたときと同じ広さ
前回、会社を辞めたことにより、それまで住んでいた、シンボルツリーがドーンとそびえ立つ豪華エントランスつきの、ウォークインクローゼットやらシューズインクローゼットやらが当然のように装備されたオール電化のピカピカマンションから、築47年33平米収納ゼロの老朽ワンルームへとトボトボ移った顛末をつづらせていただいた。
で、改めて考えると、この33平米という広さ。私が就職して初めて一人暮らしを始めた、四国は高松のマンションとほぼ同じ面積である。
つまりはですね、あの場所からスタートした私は私なりに、サラリーマンとして組織の中で何とか生き残ろうと歯を食いしばり、今にして思えば人様に多大なる迷惑もかけシャレにならない不義理も繰り返し、そうまでしても階段を一歩ずつ上がってようやくシンボルツリーのマンションへとたどり着いたわけでありまして、それが一気に「振り出しに戻った」と。
いや……あの28年の努力はいったい何だったのか? もし28年前の自分がこんなことになると知ったなら、どんなに驚愕したことだろう。人生って本当、何が起きるかわかりませんね……などと感慨に浸っていたのは実は一瞬のことである。
本当のびっくりは、さらにその先にあったのだ。
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