「築47年、収納ゼロ物件」で心底満足できる理由 「部屋は狭いほうがいい」に辿り着くまでの軌跡

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今の家の窓から空を望む。そうなんです眺望は根性で確保したんです! この空さえあれば狭くとも元気に生きていけるわけですが、いつかは眺望がなくとも元気に生きていける自分になりたい(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第14回をお届けします。

人生は家賃との闘い

さて、これまで「食」「衣」におけるわが「買わない生活」の実態についてその一部をご紹介させていただいてきたわけだが、今回からいよいよ本丸ともいうべき話題に突入である。

稲垣えみ子氏による連載14回目です。

人生において一番お金がかかるもの……それは間違いなく「住まい」でありましょう。

何しろ家賃は毎月払わなきゃならん。あ、もちろん親の代から続く持ち家にお住いという幸運な方もおられようが、そのような僥倖に恵まれなかった場合、自立して暮らしていこうと思えばこの問題はどうやったってずっしりと人生にのしかかってくる。

特に東京の家賃と言ったらあーた! いくら衣食にかかるお金を切り詰めようと、ここから逃れることは誰にもできない。ただ生きているというそれだけで、少なからぬお金がチャリンチャリンと口座から定時的に失われていく大穴の開いたバケツのごとき人生……ああ生きていくってなんて大変なんだ! とため息をついているのは私だけではあるまい。

逆に言えば、住まいとはステイタスそのものである。

しつこいようだが家賃は毎月払わねばならぬ。この「毎月」というのがミソだ。例えば高級ブランドのバッグや靴とかならば、収入が少なくとも頑張ってコツコツ貯金をすればいつかは買えるかもしれない。でもこれは、あくまで単発のお買い物だから可能なわけです。

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